カメラとガジェット

湘南エリアで写真を撮ったりガジェットを集めたりしながら暮らしている学生です。拙いブログになると思いますが、温かい目で見守っていただけると幸いです。

SIGMAのXマウント 単焦点3本セットを試す

先日ご縁があって、SIGMAさんの約2週間のレンズモニターキャンペーンに参加させていただきました。 私は前にブログで書いた6DIIを売却しFUJIFILM X-S10に買い替えた直後だった(このあたりも今後ブログに書きます)ので、このXマウント版レンズ3本セットに応募させていただいた次第です。 発表直後の製品群に混じって既製品が、しかもセットで用意されていて大変ありがたい限りです。

今回お借りした3本セットの製品名は以下のとおりです。

  • SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
  • SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary
  • SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary

左から16mm、30mm、56mm

この3本はSIGMAのContemporaryラインに属するAPS-C・M4/3用レンズで、左から(大きな方から)16mmF1.4 (24mm相当)・30mm F1.4 (45mm相当)・56mm F1.4 (85mm相当)となっています。 SIGMA担当者様いわく、広角レンズほど諸収差の補正のためにかさばってしまうようで、少し不思議なサイズ感のセットになっています。56や30はかなりコンパクトなのですが、3本セットにしようと思うと16mmが正直邪魔くさく感じてしまいます。

外観

外観は、大部分が適度な光沢感のあるプラスチック製なのですが、根元部分のみ別素材で安っぽいのが残念に感じました。絞りリングは非搭載です。

SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary
SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary

作例

今回は敢えてレンズごとに分けずに作例をご紹介しようと思います。また作例は撮って出しで、縮小のみ行っています。

描写性については3本似通ったもので、発色は十分ながらも不要な誇張をせず、どのようなシーンにおいてもクリアな描写を楽しむことができました。レンズを変えても描写が変わらないという点は便利な場合が多々あります。 また、レンズがとにかく自然な描写をしてくれるので、フィルムシミュレーションごとの違いを楽しみやすかったのではないかと思います(なお諸事情で借用前にはほぼEFレンズしか使っていない)。

谷中銀座周辺

56mm SS1/600 F1.6 ISO400 クラシッククローム
30mm SS1/58F8.0 ISO12800 ACROSS
30mm 1/110s F5.6 ISO2500 クラシッククローム
30mm 1/110sF5.0 ISO400 Velvia

東京の谷中銀座周辺を撮り歩いた日の作例です。この日はEVF設定がうまくできなくて暗い写真ばかりになりましたが、細部描写や陰影のつき方、最後の「ンパ」のお店の階調の描き方など、何気ない風景でも魅力的に描いてくれるレンズとカメラだと思います。

少し年季の入った木造建築にはクラシッククロームの風合いがとても馴染みますね。木造建築(喫茶店)ノマドから伝統が見えているカットなどは「日本っぽい」風景が表現できたカットなのではないかと思っています。

横浜

12mm 1/8s F2.5 ISO160
56mm 1/140s
56mm 1/15s F2.5 ISO160 Velvia
56mm 2.1S F5.0 ISO400 Velvia 卓上三脚

この日は夕方から、横浜中華街を中心に撮り歩きました。いわゆる”日本的”な風景とはかけ離れたド派手な装飾に彩られた街ですが、Velviaとの組み合わせで鮮烈に描いてくれています。 また低速シャッターも多用しましたが、ボディ内手ぶれ補正のみでもかなり”使える”補正をしてくれているようです。正規ライセンスを取得しているだけのことはあります。 (ただし56mmは比較的効きが弱いです)

最後の海保の巡視船では強めの逆光を受けていますが、この作例ではフレア・ゴーストは全く見当たらないレベルだと言えそうです。

江ノ島 鎌倉

12mm 1/1900s F4.5 ISO160 Velvia
56mm 1/3000s F1.4 ISO160 Velvia
56mm 1/600s F2.8 ISO500 Velvia
30mm 1/180s F4.0 ISO160 クラシッククローム
16mm 1/420s F8.0 ISO160 Velvia
30mm1/2400s F1.4 ISO160 Velvia
56mm 1/18000s F1.4 ISO160
56mm 1/600s F1.4 ISO250 Velvia

一気に作例を並べてみました。この日は9月1日、ちょうど海の家を片付ける時期なようで暑い中作業をしている方々を見かけました。一方でまだ営業している海の家もあるんですね。

今回の貸出期間の中で快晴の日はとても少なかったのですが、この日は幸いにも見てのとおりの晴天。強い日差しの下で山も海も空も映えて、フィルムシミュレーションはVelviaを入れたくなります。

作例ではどのコマもしっかりと、誇張しすぎない自然な色が出ているのではないかと思います。撮って出しでこの発色が得られ、AFも速くてお値打ちなレンズとなればもうほぼ文句のつけようがないのではないかと思ってしまいます。

また、富士フイルムのボディではメカシャッターの高速限界(X-S10では1/4000s)よりも速いシャッター速度が必要な際に、自動的に電子シャッター(1/32000sまで)に切り替えてくれる機能があります。 これにより開放F1.4のレンズとの組み合わせで、昼でもボケを生かした撮影も気にせず試すことができ、より単焦点の表現の幅を広げられると感じました。 (上記作例では活かしきれてないのですが…)

左: 右:
江ノ島ビールの看板が写っている作例は、直前にVelviaで撮ったコマもあります。どちらがお好きでしょうか。

感想

小型・軽量・高画質の3拍子が揃い、しかもAFまで速くて手頃な価格というともうこのレンズに非の打ち所はないのではないかと思ってしまいます。 ただ私にとっては16mmF1.4というスペックを余り使うことがなく、現状の大きさを考えると暗くてもコンパクトに仕上げてほしかったとも思います。 私は35mm相当の画角をよく使うので、このシリーズかIシリーズで準広角レンズも用意してほしいですね。